モロあきこ
手書きデザインの食券をダイニングカフェに提案しました
先日、某大手飲料メーカーの計らいで、某ダイニングカフェへ手書きでデザインした食券の提案をさせていただきました(某だらけでスミマセン…)。残念ながら、提案は採用されなかったのですが、個人的には気に入っているデザインなので紹介しちゃいます。...
印刷物より目立つおしゃれで可愛い手書きポップでお店の好感度アップ! 横浜在住の手書きPOPライター「モロあきこ」のポップデザインについてのホームページです。主なページは以下になります。
高級イヤホン "AUDIOFLY AF33" の手書きPOPデザイン
10/22/2017
ローランドさんからのご依頼で、イヤホン "AF33" の手書きPOPを書かせていただきました。楽器販売店やオーディオショップとかで見ることができるようです。
POPをデザインするうえで気を付けたのは、イヤホンのイラストをどこまでデフォルメすればよいかという部分です。どちらかといえば男性向けジャンルの商品、しかも機能性を売りにした精密機器なので、実際の筐体とあまりかけ離れたイラストにならないよう気を配りました。
また今回は、全国の販売店に設置する可能性があるとのことだったので、手書きPOPの実物ではなくスキャンしたものをベクター画像化してデータ納品するかたちとなりました。
商品ジャンル問わず、様々な販促へ対応できるような手書きPOPデザインを目指してますので、試してみたいというメーカーさまがありましたら、ぜひ声をかけてくださいませ。。。
原材料や生産地などの写真を手描きPOPに加えることで、商品説明文章の説得力がグッと高まります。あるいは作例のような、缶詰や飴など内容物が直接見えないパッケージ商品の場合に、実物の雰囲気を提示することができます。また、文字とイラストだけのPOP広告が多い店内に写真付きデザインのPOPがあることで、ディスプレイが単調になるのを避ける手助けにもなります。パソコンから厚手の写真用紙にプリントアウトしたものに手書きする、あるいは富士フィルムの"Cheki"シリーズなどのインスタントカメラを利用するなどの方法があります。作例はDTPで、Wacomペンタブレットを使って作成した文字と、撮影した写真を組みあわせたものです。
お店のバックヤードを見渡すと、そんなに汚れてないのに回収待ちになっている紙素材が結構見つかると思います。そのまま捨てるのも勿体ないので、POPの台紙として再利用してみてはいかがでしょうか? 綺麗なダンボールとかでしたら、裁断だけ丁寧にすれば油性マジックで普通にキャッチコピーなどを書くことができるかと思います。水溶性のインクですと上手くいかない場合があるので、マーカーの選択には注意しましょう。空き箱ボール紙の場合、表面に加工がなされていたり模様があったりするので、POPの台紙として使うには少し工夫が必要です。スプレーで表面を白く塗装してから書くこともできますが、手間がかかります。一番簡単なのは白や黒などのテープを箱に貼ってその上に書く方法です。「mt マスキングテープ」という便利な画材があるのでご紹介します。「パーマセル」という撮影関係者御用達の高価なテープがあるのですが、それと同じように貼った後に剥がしても表面を傷つけず糊跡も残さない性能を安価で実現しています。なおかつカラーバリエーションが豊富なので、手書きPOPの秘密兵器として大活躍してくれます。独創的な素材をPOP広告に利用することで、他よりもインパクトのあるPOPを作ることができますが、そのぶんデザインセンスも問われることになるので、気合を入れて作成に臨みましょう。
大手のスーパーでは捨ててしまうようなカタチの悪い野菜を丁寧に商品として扱っている商店には、誰もが好印象を持つものです。「リサイクル」とか「エコロジー」などの概念が、お客様の購入判断を大きく左右するようになったと随分前から言われるようになりました。ちょっとしたPOPでも、そこに無駄なく自前でやる"DIY"の精神が現れていれば、お客様にも好感を持っていただけるのではないでしょうか? フルクサス(Fluxus)という舞台から日常生活に芸術を取り戻すという運動が1960年代にあったのですが、その精神に近いかもしれません。ハーバーマス(Jurgen Habermas, born 18 June 1929)という思想家も日常と芸術の関係性について似たような考察をしているので、興味のある方は読んでみてください。
お客様が商品に興味を持ち実際に購入するかどうかは、ほとんどの場合その商品のパッと見の第一印象で決まるといわれています。いわゆる「衝動買い」です。最初はあまり気に入らなかったけど説明を聞いたら買いたくなった…なんてことはあまりありません。このことは、アパレルショップで洋服を買う場合でも、スーパーで野菜か何かを買う場合でもあまり違いはないかもしれません。結局のところ、「掴み」の段階で「ワタシはこれがイイな! 」とお客様に思っていただけないと、その後の説明でいくら言葉を尽くしてもまず買ってもらえないということになります。
「掴み」の段階でいかにお客様のハート射止めるか? その際に重要なのが「共感力」です。「かわいい」「懐かしい」「シンプル」「安心できそう」などの感情を呼び起こす視覚的な印象がお客様のライフスタイルや価値観に合致して、応援したくなるような気持ちが芽生えたときに、はじめて共感を呼び起こすことができます。理屈や論理をいくら積み重ねても、理解が深まるだけで決して共感は得られません。また、「掴み」の段階がほとんどの購買行動を決定づける傾向は男性より女性のほうが顕著です。男性客の場合、「ある程度説明をきいてから最終的にどれを買うか決めよう…」という計画的な行動をとることがありますが、女性にとって買い物は一種のエンターテインメントであり、その場のフィーリングを楽しむ非論理の世界です。そのように考えると、ドラッグストアや食材スーパーなど女性客がメインの店舗にとって、「掴み」の段階で「共感力」を得るための施策を打つことは売上アップのために非常に重要です。
商品タグに添えられたPOP広告は、デザインによって「掴み」の第一印象を店舗側が操作するのに最適なツールです。「かわいい」などの視覚イメージだけでなく、お店で働く人の本音のメッセージが書かれているという親近感を兼ね備えていることが、「共感力」を一層呼び起こしやすくします。パッと見の判断で全てを決めてしまうシビアなお客様の関心をいかに繋ぎ止めるか…手書きPOPはこの難問に対処する有効な手法です。
お店に手書きPOP
使用する紙
紙を安く購入できるお店
使用するペン
マッキー・ポスカ・コピック・ブラックボードポスカの特徴
キャッチコピーの準備
コピーの文章化
手描きPOPのレイアウト
イラスト要素の活用
POP文字の書き方バリエーション
仕上がりチェック
クリップやホルダーを使ったPOPの設置
書いた人の温もりが伝わるようなデザイン表現でないと、手書きPOPは本来の効果を発揮できません。たまに街で見かけるのが、上手くまとまり過ぎて遠目からだと印刷物のように見える手書きPOPです。近づいて紙の表面をよくみると「あ…紙にペンで書いたんだwww」となるのですが、これだとせっかく手作りした価値が半減してしまいます。
そこから考えると、手書きPOPについてデザイン的に上手いか下手かはあまり重要ではないと思われます。それよりも大切なことは、この手書きPOPは世界に一つしかない手作りのもので、しかもつい最近作られたばかりの「生もの」であることが伝わるかどうかです。なので、絵を描くのが下手だから手書きPOPを自作する自信がないという方も、気にせずどんどん描いたらよいと思います。不安定不規則な要素があればあるだけ手作り感が増す、それくらいの気構えで行きましょう! ただし気をつけるのは、「雑」「汚い」この印象だけは避けたいということです。下手でも丁寧につくれば、必ずメッセージはお客様に届くはずです。
ここ数年…正確には2010年代に入ってからだと思うのですが、グラフィックデザインの最大のトレンドはHandscript(手書き)要素の活用です。テレビCMでも電車内の吊り広告でもいたるところで手書き文字が氾濫しているのを見かけることができる、今もっとも訴求力のあるデザイン表現です。モリサワやフォントワークスなどの大手ベンダーを含めたフォントメーカーがそうしたトレンドに乗った結果、パソコンで使用できるDTP用手書き風フォントのバリエーションは非常に多くなりました。つまり、一見手書きっぽいデザインの印刷物、これはパソコンで簡単に制作できるということになります。
そこから逆算して考えて、パソコンでは実現し難い手書き風表現を多用すれば、超強力なwww手描き的訴求力のあるポップを制作できるかもしれません。具体的には…
書体の特定のパーツだけ太さを変える、あるいは1語ごとの大きさや角度のランダマイズなど、文字を不規則にヒューマナイズする。
紙の種類を変えたコラージュ表現(例えば価格表記だけ別の用紙をつかうなど)。
イラスト要素と文字の一体化。
など色々思いつきます。これらは概ねDTPでやると制作時間が大幅にかかりますが、手書きだとちょっとしたセンスがあればわりかし短時間でやれることです!